メルクマール

龍と風早の様子は、サバサバしつつも、相手のことを思い遣っていて、男同士ってこんな感じだよなと思います。原作者も脚本家も女性だけれど、的確な描写だと言えるでしょう。

一方で、女性同士はもっとウエットで、腫れ物に触るような感じなのが印象的。普段は女性にしてはサバサバしているだけに、ギャップがあります。千鶴が長い間、徹のことが好きだったのを知っているので、迂闊に励ましたりもできないのでしょう。

風早が自転車に乗って帰る時の、地面が丸くなっている表現が好きですね。星の王子様みたいな、小さな惑星の上にいるような描写。　あれは、登場人物たちが、自分と友達だけの、小さな世界で笑ったり悩んだりしていることを表しているのでしょう。小さな、小さな世界だけれど、まだ子供である彼ら・彼女らにとっては、それが全てなんですよね。

千鶴は、そんな小さな世界に、外部から邪魔が入るとは想像していませんでした。子供の頃からの、幸せな夢から醒めてしまったわけです。　「私の夢を叶えるのは、私じゃないんだな」というセリフに、その感覚が込められていて切なすぎるのですよ。

そんな千鶴を救うのは、爽子たち女友達か、それとも龍か。ここは龍に期待したいところでしょう。今回が”友情”を見せたので、次は”恋”ということで。

小さな、だからこそ愛しい世界での、彼女たちの恋を見守りたいと思うのです。

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