メルクマール

前回も『化け猫』の伝承について書いたのですが、基本的には人に害を為す、邪悪な妖怪として描かれています。狐や狸の妖怪のような愛嬌はあまりありません。

児童書の『ドリトル先生シリーズ』は、動物の言葉が話せるドリトル先生が、動物を守るために奔走する話ですが、あらゆる動物を愛するドリトル先生が、ほとんど唯一、ネコに対してだけは冷たい態度を取ります。ネコは生きるためでなく、楽しむために殺す性質があり、それはどうにもならないと嘆いているシーンがありました。

ネコの、気まぐれで何を考えているのか分からないようなところが、人に不安を抱かせるのでしょうね。ネコ好きの人は、そういうところも好きなのでしょうけれど。

でも人間にもいろいろいるように、ネコにもいろいろあるでしょう。人間を食い殺す本性を抑えて、人間と共存する道を選んだのが緋鞠の一族でした。しかしそれは、茨の道だと思えます。あやかしからは裏切り物と言われ、人間からは化け物と呼ばれ。さらに、戦いに我を忘れて暴走すると、盟友の鬼切り役でさえ敵になるという。

それだけに、前回の戦いで暴走してしまったことは、緋鞠にとってショックだったはずで、元気が無いのも無理はありません。優人はそんな緋鞠を見て、自分がしっかりしないといけない、という意識に目覚めます。野伊原の里に行った事は、二人の絆を深めるために役に立ったようです。なかなか、いい話ではないでしょうか。

前回キスした女の子は、てっきり緋鞠だと思っていたのですが、違っていたようで。ラストに登場した神宮寺くえすなのかな。髪の毛の色が違いますが、目の色は同じでした。

新キャラもいいのですが、凛子が不憫で。あやかしたちが優人にちょっかいをだすのを、怒るだけの役になっています。彼女にも報われることがあるといいのですが。

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