メルクマール

生きていると、なにかと辛いことはあるので、それから目をそらすための逃避先が必要です。人によって、それが酒だったり、エンタテイメント（ゲームやアニメなど）だったり、宗教だったりするわけですが、オカルトもその一つでしょう。

ピンは、「この辛さは心霊現象のせいに違いない。霊感の強い爽子ならば何とかしてくれるだろう」という考えに固執しますが、これは風邪の諸症状の辛さから逃れるため、オカルトにすがっているわけです。

でも結果的に、爽子を呼んだことは正解であり、彼女の介抱のおかげで風邪を治すことができました。ただの偶然ですが、このことでますます、ピンはオカルトを信じることになったのでしょう。オカルトにハマる人の典型的な有様を、コミカルに描いています。

爽子がピンを介抱しようとすると、すかさず仕事をとりあげる風早君にもニヤニヤ。けっこうヤキモチ焼きみたいですね。

風早とピンの関係が気になるところです。　風早は常に好青年ですが、ピンのことだけは邪険に扱っており、これは思春期の子供が親を邪険にするようなもので、甘えているとも言えます。そういうふうに接しても許されると、わかってやっているので。　風早が拾った犬を”ペドロ・マルチネス”と最初に呼んだのはピンですが、それを使っているあたり、単に嫌っているわけでも無いのでしょう。

一方で、ピンは何気に風早のことを気にかけているのかも。今回、爽子に「こうすれば風早が喜ぶ」とアドバイスをしたことで、そう感じました。風早が爽子を好きなことは気づいているので（以前に「マニアックすぎね？」と感想を漏らしていましたが）、小粋な贈り物といったところでしょう。教え子に女の子を襲うように仕向けるとは、教育者として如何なものかとは思いますが。

そんなわけで、今回はピン回だったと思えます。なかなかいいトリックスター（物語の掻き回し役）だと言えるでしょう。人騒がせではあるけれど、そのおかげで爽子と風早の休日は”宝物”になりました。

今回はメインキャラ総出演でしたが、くるみの出番はありませんでした。このまま出ないとしたら残念。次回は千鶴回のようですがくるみ回も期待したいところです。

ポチッとして頂けると励みになります！↓