メルクマール

タケミカヅチはシミュレーションに必要な機能は生きているようで、冒頭のシーンはシミュレーションによる演習でした。リオは通信手ですが、ラッパで通信するんですね。無線機が作れないのか、あるいは何かの事情で無線が使えないのか。　通信を妨害するナノマシンが大気中に散布されていて、それが駆除できないので無線が使えない、という設定のSFを見たことがありますが、その手の事情があるのかもしれません。

カナタは本職は通信士ですが、演習では装填手をしていたようです。普通の戦車では、装填手とはその名の通り、砲弾を手で運んで砲に込める係なのですが、タケミカヅチは自動装填があるみたいで、装填手の役目は火器管制でした。特にいなくてもよさそうな？

そういえば2話で、クレハが「補充要員は装填手か操縦手を要求していたはずなのに、なぜ通信士なのか」とフィリシアに食ってかかるシーンがありました。フィリシアは「勘のいい子だから、何か気づいたのかも」と言ってましたが、つまり、リオが部隊から去る予定で、カナタが交代要員ということなのかも。

演習はそれなりに真剣でしたが、少佐にタメ口だったりで日常は緩みきっているので、あまり戦争が差し迫っている雰囲気はありません。

「砂漠の狼」は、「砂漠の狐」と呼ばれたドイツのロンメルが元ネタでしょうね。常に劣勢な戦力でありながら、大迂回作戦など華麗な戦術で勝利を重ねた指揮官です。

コンパスを失って、方角を調べるのに苦労していましたが、太陽が出ていたので、時計があれば方角はわかるはず。　腕時計は高価だろうから持ってないのかな、とも思ったのですが、1話でカナタが腕時計を見ているシーンがありましたね…。　貴重品だから置いてきたのかな。

ノーマンズランドは、実際に不毛な、砂漠のような土地で、確かに”世界の果て”の様相でした。植生が突然変わっているということは、何かで汚染されているのかな。世界はその汚染の拡大で、滅亡の危機に瀕している、というナウシカのような設定なのでしょうか。

『監視装置』は、その汚染拡大を監視して抑制しているとか。　あるいは、ノーマンズランドにいる”何か”の進入を監視しているのかな。 このあたりは核心な気がします。

日常風景の中に、こういう描写を織り交ぜているのは、これらから何かを感じ取れということなのでしょう。かなり絶望的な世界、ということは伝わってきます。それと、第1121小隊ののどかな日常との対比を楽しむ作品なのでしょうか。

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