メルクマール

学園物では、主人公たちを導く存在としての”大人”が存在することが多いですが、この作品ではその役はほとんどいなくて、子供たちは自分たちで悩んで成長しなければなりません。

だから大人の出番が作りにくいため、ここで出しておこうということでしょう。舞台である学園都市を、違う面から描写してリアリティを出そうという意図も込みで。

「完全下校時間」というのが気になるな。「夜間外出禁止」という意味だとしたら、戒厳令なみですが。超能力者がウヨウヨしている街での夜歩きは物騒なのでしょうか。

自信を失っていた鉄装先生が、鴻野と出会い、彼の人生に良い影響を与えたことで自信を取り戻す、というお話。　まぁいい話なんですが、前途ある若者にゲームクリエイターの道を選ばせるのが、単純に”素晴らしいこと”とは思えないので複雑な気持ちはあります。学校を出てもなれるとは限らないし、なれても長時間労働で、そのわりに給料は安く、また若いうちにしかできない仕事でもあります。とはいえ、面白い仕事であるのは確かで、本当に好きであれば、それに打ち込んでみるのもアリでしょう。

鉄装先生のダメっぷりと対照的に、小萌先生の大人っぷりが印象的でした。見た目と違って、彼女がこの作品で最も”大人”でしょう。美琴たちともっと絡むシーンがあってもいいなと思えます。美琴にまで、家を破壊されたらたまったものではないでしょうけど。

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