アニメ化もされた、PS3用ゲームの『戦場のヴァルキュリア』の続編、『戦場のヴァルキュリア 2 ガリア王立士官学校』が、PSP用ゲームとして明日発売されます。入手して数時間プレイしたので、感想というか、インプレッションを書いてみます。
まず基礎知識として。ゲームシステムはターン制の戦術シミュレーションゲームで、それに多少のアクション要素(移動中だけリアルタイム)を加えた、独特なものになっています。
僕は初代はクリアしていて、個人的には、続編もPS3がよかったのですが、PSPで出すことで、より多くの人にプレイして欲しい、という制作者の気持ちもわかります。
ただ、システムとしては初代よりも複雑になっていますね。以前は兵科のレベルアップは一本道だったのですが、2ではレベルアップの経路が分岐して、いろいろな兵科に育てることが可能になっており、それだけでも攻略のバリエーションがかなり増えそうです。初代をクリアした人にとっては、歯ごたえが増して歓迎ですが、初めての人には覚えることが増えて、やや大変かもしれません。でも、徐々に覚えればよいようにはなっています。
どうしてもPS3版の初代と比べてしまうのですが、イベントシーンが初代は独特な水彩画っぽい3Dアニメーションだったのが、2では基本的には立ち絵+テキストで、時々ムービーという、ギャルゲーっぽいものになっています。あと、フルボイスではなく、”はい”とか”えっ”とか部分的にしゃべる『部分ボイス(?)』のシーンが大半です。これらは、大いに残念なところですね。
一方で、戦闘シーンでの操作性や、ロード時間などは初代(PS3版)と比べて遜色なく、むしろロードは速いくらい。グラフィックもなかなか綺麗で、予想以上に良くできていました。
ハード的な制約からだと思うのですが、同時に出撃できる味方ユニットは6体までのようです。少ないですが、戦闘がスピーディーなのは悪くありません。
利点か欠点かは人によるでしょうけれど、大きく変わった点として、2では戦闘中にセーブができません。初代はどこでもセーブできたので、こまめにセーブしてやり直すのがSクラスクリア(最短のターンでクリアする)の秘訣でしたが、それができなくなったので、Sクラスクリアにはこだわらないほうがいいのかな、と思えます。
初代は、戦術シミュレーションゲームというよりは、パズルゲーム的に楽しんでいました。とにかく短いターンでクリアすることが重要(高評価)なので、足の速い偵察兵を徹底活用して、他の兵科はそれをサポートしつつ、偵察兵を最短時間で敵の拠点に突っ込ませるにはどうするか、というパズルです。2では、兵科の種類が増えているし、偵察兵がやや弱くなっているし、途中セーブが無いから無茶できないし、ということで、より真っ当に、戦線を作って押し上げる戦術を取ることになりそうです。
ストーリーは、まだ始めたばかりなのでわかりません。当面は、士官学校を舞台にした学園物みたいですね。落ちこぼれのGクラスに所属、というあたりは『バカとテストと召還獣』っぽい。
ヒロインとの出会いや、戦争へ巻き込まれていく過程が、初代はドラマチックでしたが、2はライトな感じです。今後どうなるでしょうか。初代のようなドラマチックなストーリーを期待したいですが。
PSP版ということで、PS3版だった初代よりも残念なポイントはありますが、それは主にイベントシーンであり、ゲームそのものは良くできています。初代のゲームシステムが好きだった方は、安心して買ってよいのではないでしょうか。攻略し甲斐のある進化をしていますし。
初代未経験の方でも、ストーリーは独立しているようなので(キャラも一新だし)、2からやっても問題無いと思えます。このゲームシステムはなかなかの発明だと思うので、シミュレーションゲームが好きな方にはぜひ体験して欲しいですね。
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