メルクマール

舞台が（元）学校なのが、「学園物をやりたい」ことを象徴しているように思えます。上下関係もゆるく、もっぱらラッパの練習が任務のようです。軍隊物というよりは、学園物・部活物と考えたほうがいいのでしょう。カナタがイメージした、小隊メンバーによる器楽合奏のシーンが印象的で、あれが実現したら面白いですが。

世界観が断片的に語られます。この世界は科学技術が衰退しているだけではなく、人数（人口密度）もかなり少ないみたい。もしかしたら、人類は絶滅に瀕しているのか。

小隊が5人という編成は少なすぎで、分隊にも満たないわけですが、これも人口が少ないからでしょう。あの部隊が特に冷遇されているというのもあるでしょうけど。

”ノーマンズランド”には何があるのか。グインサーガで言えば、人が住む”中原”と、ノーマンズランドの”ノスフェラス”があり、ノスフェラスには謎の瘴気があるので居住に適さず、モンスターが跋扈する世界になっています。　この物語のノーマンズランドがどういうものなのか、気になるところです。そのことが、ノーマンズランドとの国境を守る、カナタたちの使命に直結するだろうから。 そういえば、１話でモンスターらしきものが出ましたね…

”多脚砲台戦車”が登場しましたが、本来、戦車というのは、姿勢が低いほうがいいわけです。足をつけて高くするメリットは、上から下を狙うため（対歩兵の掃討戦用）か、極端に上方を狙うため（足を使えば砲を大角度にできる）かが考えられます。後者だとすれば、”対巨大モンスター用戦車”なのかも。

幽霊の探索任務で、大きな背嚢を背負っていましたが、フツーは戦闘中に背嚢はつけません。行軍中に戦闘になったら、ワンタッチで背嚢を解除する装置があるくらいで。　でもこれは考証不足というわけではなく、あの部隊が実戦経験どころかろくな訓練もしていない、ド素人であることを表現しているのでしょう。ドリフの兵隊コントみたいな滑稽さがありました。

砦のある土地は、どうやら元は日本のようですが、なぜ日本語の文字が廃れて（イデア文字と読んでましたか）、フランス語が使われているのかが気になります。ナポレオンの生まれ変わりみたいのが現れて、フランスが世界征服したのかな。　でも「ピンクの兵科」と言っていましたが、戦車部隊をピンク色で表すのはナチス・ドイツ式です。

ラッパの描写について、あまりツッこむのもなんなのでウンチクとして。今回リオが吹いていたような信号ラッパのフレーズでは、ピストン（バルブ）を押す必要はありません。金管楽器は唇の締め具合だけで、ド→ソ→ド→ミ→ソ→ド　の音が出せるので、信号ラッパのフレーズはこの音の組み合わせで作られています。

僕は実は、ほのぼの日常ドラマはあまり好物ではないのですが、世界観が少しづつ語られ、全体像が見えてくるのが楽しみなので、当面は飽きずに見られそうです。映像も見ごたえありますしね。

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