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メルクマール

ここは「【コミックス】ちはやふる レビュー」 の個別エントリーです。
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コミックスの『ちはやふる』の感想です。ネタバレは無しで。

同僚の机の上に置かれていたのを見たとき、とっさに「落語の話?」と思ったりして。 『千早振る』という有名な演目があるのですね。でも”落語少女漫画”はマニアック過ぎるだろと思いつつ手に取ったら、”競技かるた少女漫画”でした。これはこれでマニアックです。

で、借りて読んだ1巻がなかなか面白かったので、続きを読みたいと思っていて、今日7巻まで買ってきて一気に読みました。すみません、むしろ2巻からが俄然面白かった。

ちはやふる.jpgこの物語のポイントは、”競技かるた”という、ドマイナーなものをテーマにしていることです。同じ部活ものでも、サッカーならばプロサッカー選手になるという究極目標があるし、美術ならば画家やデザイナーになるためなど、熱心にやるための”理由”があるじゃないですか。世間的にも、それらに打ち込んでいる人を応援するのは自然です。

でも、”かるた”というのは世間的にお遊びだと見なされており、がんばっても特にメリットがあるわけではありません。周囲の人々からも、「かるたなんかやって何になるの?」という目で見られるし。 主人公たちでさえ、繰り返し自問するわけです。「かるたなんかやって何になるのか」と。辛いことがあったり、壁に当たったりするたびに。

それでも登場人物たちはかるたに惹きつけられ、努力します。かるたは実は、とても過酷な競技であり、勝つためには厳しい努力が必要なのですが、彼らはがんばるんですね。そしてその末にある、「かるたをやってよかった!」という心の叫びに、不思議な説得力があるのでした。

誰しも、何か打ち込むものを見つけたいとは思っているはずです。 漫然としても時は過ぎて行くし、それでいいとも言えますが、せっかくならば、何かに自分を捧げて、熱く生きたいという願望はあるのでは。 でも、自分に何が合っているのかわからないし、打ち込み甲斐のあるものも見つからないし、ということで、結局のところ漫然と過ごしてしまう。

この物語の登場人物たちにとっても、かるたの世界はたまたま知ったに過ぎないし、格別の才能が最初からあったわけでもありません。「がんばらない理由」はいくらでもあったのです。 でも彼らはがんばることを選び、それによって濃密な時間を過ごすことができました。

つまりこの作品のメッセージは、「何でもいいから打ち込むものを見つけて、ひたすら頑張ればいいことがあるよ!」だと思うのです。 実際僕は、このコミックスから元気をもらいました。ついつい、日々の事を無難にこなせばOKになりがちですが、もっと熱く、がむしゃらにやらないと、達成感は得られないよなと。たとえそれが、他人に認められるようなことでは無いとしても、自分が”頑張った!”と思えれば、それでいいじゃないかと。

つまり、これは「熱い」ストーリーなんですよ。綺麗なカバー絵に騙されてはいけません。熱くなりたい人には、全力でお薦めします。

メッセージ性だけの作品ではありません。競技かるたの奥の深さに驚かされるし、それを生かした緻密なプロットです。キャラクターもいいですね。奇をてらわない、どちらかといえば素朴なキャラ造形ですが、ストーリーがとても強いので、キャラクタ性はこれくらいが調度良いと思えます。

いろんな要素が絶妙なバランスでハマった、奇跡のような作品、と言うと褒めすぎかもしれません。でもそれくらい、僕は気に入っています。

それだけに、この作品をアニメ化して欲しいかと言われれば、やや複雑な心境です。見たいような、見たくないような。流行りの部活モノなので、アニメ化はすごくありそうですけどね。

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