ホロとロレンスの関係に微妙な変化が? 狼と香辛料II 第10話 「狼と孤独な微笑み」 の感想です。
以前は、ホロがロレンスをからかって、ロレンスはそれに振り回されるという力関係でしたが、最近はホロはロレンスをからかうにしても、どこか探りながらで、言い負けるシーンもあったりします。惚れた弱みというやつなのでしょうか。前回のエピソードで、新密度が増したようですし。
それに対して、ロレンス君はモテ期に入ったようで、ホロの嫉妬を買っています。ノーラのときは、ホロはもっと余裕があったものですが。ホロが人身御供を引き受けたのは、エーブへの対抗心もあるのかもしれませんね。自分も食っちゃ寝ではなく、ロレンスの商売の役に立てるぞ、という。
それにしても、担保と言えども人身売買まがいのことに手を染めるとは、ロレンスも思い切ったものですが、中世ではそういうのもアリなのでしょうね。子供を商人に売り飛ばすなどは普通に行われていたようですし。
教会がどうのという話が出てきましたが、ロレンスの今回の商売には関係なさそうに見えます。要は、金を工面して毛皮を買い占めるだけの話ですからね。それにしては教会の内幕話に尺を使っていたので、何かの伏線なのでしょう。
エーブが塩の取引をしていたかも、というのも気になります。もちろん塩は非常に重要な交易品であり、ヨーロッパの交易路は塩を運ぶために開かれたといってもよいくいらいです。食物を塩漬けにして保存するために必需品だったのですね。ローマ時代は給料が塩で支払われていたくらいで、”サラリー”の語源はここにあります。
ただ、塩は重要であるだけに、いろいろ特殊なんですよ。ゆえに思うところはあるのですが、ストーリーの核心かもしれないので自粛します。
このところサブタイトルが不吉なものばかりで、来週も”別れ”とありますがどうなるでしょうか。
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前回の事件で、二人の距離が少し近づいたようですが、この距離感が絶妙なところだと思えます。狼と香辛料II 第7話 「狼と戯れの日々」 の感想。
結構前の話なので、まだあるのかは知らないのですが、知人が「小悪魔パブ」とやらに行った話をしていました。なんでもそこでは、ウエイトレスさんが「さっさと注文しなさいよ!」とか偉そうに接客するとか。でも、そういうのは小悪魔じゃないだろ!と、僕は声を大にして言いたいですね。
小悪魔というのは、男をからかったり誘惑したりして、それで男がその気になったらサラリとかわす、というスタイルではないかと。そういう意味では、ホロは「いい小悪魔」とも言えるのでしょう。神様を悪魔呼ばわりは失礼ですが。
でもロレンスもホロの扱いに慣れてきているので、ホロのこれみよがしの誘惑にストレートには反応せず、ひねった対応をしようとしています。でもそれがむしろ愛情のこもった言葉になっていて、ホロが素直に喜んだり、手のキス程度でメロメロになったりする様子が、小悪魔とのギャップで可愛いところなんですね。
桃色の二人の様子とは対照的に、町は陰鬱な様子で描写されており、水面下でなにか揉め事が起こっていることが示唆されています。ロレンス君はそこに金儲けの匂いを嗅ぎ取ったようですが、たしかに「戦争は金儲けのチャンス」とも言いますし、うまく情報をつかめば儲け話にもありつけるでしょう。でもロレンス君は相場師的なことをやると失敗しがちなので(前回も危うかった)、ホロの心配ももっともです。例によって、一度不幸のズンドコに落ちるのでしょうか。
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結局、ディアナさんの手のひらの上で踊らされていたということですね。狼と香辛料II 第6話 「狼と信ずべき神」 の感想です。
騒動の根本原因はホロを信じ切れなかったことだと、ロレンスは言いましたが、ホロもロレンスを信じ切っていなかったんですよ。だからこそ、ディアナさんの所にいって、「ヨイツはあるというウソをロレンスに吹き込んでくれ」と頼んだのでしょう。ヨイツが無くなったことで、ロレンスと旅を続ける理由が無くなることを、ホロは恐れていたのだと思われます。
でもそこにロレンスがやってきて、黄鉄鉱の話をしたとき、ディアナさんは素直にロレンスに黄鉄鉱を売るのではなくてホロに渡すことにしました。ロレンスに渡せば、ロレンスの力だけでホロを取り戻すことができるでしょう。でもディアナさんは、二人により高いハードルを課すことにしたわけです。ロレンスのギリギリでの覚悟を試し、またホロがロレンスに気持ちを通じさせることができるかどうかを試すという。結果はオーライでしたが、結構危なかったような?
ディアナさんも人ならぬ存在であり、やはり人間と愛し合っていましたが、彼女の場合はうまくいかなかったようです。彼女は二人のことをちょっと妬いていたのか、あるは「これくらいのハードルは越えないと、この先うまくいかないよ」、というアドバイスなのかもしれません。
ホロがこれみよがしに羽を見せていたシーンで、「ディアナさんの黄鉄鉱はホロが持っているのかも」と僕は気づきました。ロレンスよりは冷静ですからね。でもここまで込み入った話になっているとは思っていなくて、種明かしのシーンでは感心してしまいました。お互いが相手の意図を読み違えて状況がこじれていき、でも最後のところでつじつまが合う展開は見事だと思います。
このところホロの出番がほとんど無く、ホロ欠乏症だったので、久しぶりの二人の会話シーンも楽しめました。かなり際どい会話をしているのですが、ギリギリのところでお互いにはぐらかすのですね。それは相変わらずではあるのですが、以前よりは確実に二人の信頼関係が深まったことが感じられました。
お祭りのクライマックスで、燃え上がるヒトとケモノの人形は、二人のことを象徴しているのでしょうか。ヒトと”異教の神”との恋路はまだまだ困難があるはずですが、見届けたいと思います。
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ホロが自分にとってどういう存在なのか、ロレンスが気づく話でした。狼と香辛料II 第5話 「狼と希望と絶望」 の感想です。
このところ、ホロとロレンスの会話シーンが無いのがさびしいですね。それがこの作品の最大の魅力だと思うので。ただ、今回はストーリー上、重要な転機ではあったのでしょう。
ロレンスはホロを積荷に例えていましたが、それが失礼だという感覚はロレンスには無いんですよね。行商人にとっては積荷が命であり、積荷を諦めないということが存在価値なので、ホロが大事だということを彼なりに表現したのです。
でもマルクとの会話で、ロレンスは自分が変わったことに気づかされました。損得だけで動くズブの商人だったはずなのに、いつのまにか金勘定抜きで、ホロを守る騎士になっていたのです。つまり、ホロのことが好きであることを、この時はじめて自覚したのでしょう。ここの会話は、なかなか味があったと思いますね。
アマーティが銀貨300枚相当の金貨をロレンスに渡していましたが、これは前払いなのかな? しかもわざわざ金貨に両替して、アマーティが余裕を見せたということでしょうか。
あのシーンでホロが白い羽をつけていたのは、どういう意味があるのでしょうね。ディアナと繋がりがあることを暗喩しているのか。だとしたら、ホロはディアナから事情を聞いて、ロレンスへの誤解(ヨイツが滅びたことを、もっと以前から知っていたという勘ぐり)を解いたのかもしれません。
ディアナも、不思議な雰囲気のある女性ですね。見た目は若いけれど、あの落ち着きや物腰は、それほど若くない感じもあります。実は魔術によって、長い年月を生きているのではないでしょうか。「面白い話」を渇望しているのは、長い年月を生きる上では『退屈』が最大の敵だからかも。
注目の仕手戦の行方は、次回に持ち越しになりました。なにやら不穏な空気もありますが、どうなるでしょうか。
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浅知恵とは何のことなのか。狼と香辛料II 第4話 「狼と浅知恵の末路」 の感想です。
おそらく、商店主のマルクに儲け話を持ちかけたつもりが、手ひどく断られたことが『浅知恵』なのでしょうね。ロレンスがアマーティに仕掛けた『決闘』については、まだ決着が付いていないし、ロレンスの限られた選択肢の中では悪くない手だと思えます。そうとうな博打ではあるけれども。
『信用売り』について、劇中でいつになく丁寧に説明されていました。でも一方で、ロレンスが黄鉄鉱を買い集めて、「自分は損はしない」と言っていることについては、分かりにくかったかもしれません。
どういうことかというと(以下、手数料等は無視して考えます)、ロレンスがアマーティに銀貨500の黄鉄鉱を信用売りして、翌日の夕方に黄鉄鉱が1/5の価値に暴落したとすると、ロレンスは黄鉄鉱を100で仕入れてアマーティに500で売れるので、銀貨400の儲けになります。逆にアマーティはそれだけの損です。
問題は暴落するかどうかですが、そのためにロレンスは黄鉄鉱に売りをしかけようとしています。たとえばロレンスが黄鉄鉱を銀貨1000で仕入れて、それを800で売ったとします。すると200の損ですが、市場はその売り値を見て、「黄鉄鉱バブルはこれで終わった」と早とちりし、手持ちの黄鉄鉱の現金化に走る可能性があります。そうすると売りが売りを呼んで、そもそも実体のないバブルなので急速に価値がしぼんでしまい、価格が1/5とかになる可能性もあるでしょう。すると、ロレンスは差し引き200の儲けになり、かつアマーティを妨害することができるという算段です。
このように、相場を意図的に操縦して儲けることを『仕手』と言い、現代でもしばしば見られます。違法スレスレのこともよくあり、ロレンス君がやろうとしている、風説を流して暴落を誘うやりかたは違法っぽいですが、昔はそういうルールもなかったでしょう。
ロレンスにとって重要な前提条件は、アマーティがこの『決闘』に乗ってくるかどうかでした。本来、アマーティはリスクを取る必要は無いからです。そのためにロレンスはさんざん挑発的なことを言って、アマーティを乗せる過程はなかなかのものでした。「ホロは旅の途中、私の腕の中で三度泣きました」とかね。さすが、口先ひとつで世渡りする商人です。
今回、ホロはちょっとだけしか登場しませんでした。彼女がアマーティとの結婚誓約書にサインしたのはなぜでしょうか。ロレンスを本気にさせて、試そうとしているのかな。あるいは、アマーティの財産の目録を手に入れるために、やむを得ず”結婚を前提に”という形式が必要だったのかも。だとしたらロレンスへの援護射撃ですね。
次回、錬金術師が重要な鍵になりそうです。『黄鉄鉱』という小道具を選んだ理由がやっとわかりました。いかにも錬金術師が持っていそうですからね。ロレンスが首尾よく黄鉄鉱を手に入れられるか、また仕手戦を成功させられるか、が次回のポイントになるのでしょう。
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「よき牡であることと、よき大人であることは、相容れぬのかもしれぬ」というホロの言葉が、そのまま二人の溝の原因なのでしょう。狼と香辛料II 第3話 「狼と埋まらない溝」 の感想です。
ロレンスは、アマーティと対決したときには「大人」の対応でした。周囲の雰囲気と損得をベースに判断するのが、ホロの言う「よき大人」でしょうから。ロレンスは商売については常にそうですよね。黄鉄鉱についても、あまり褒められた商売とは思えないけれど、そんなことは気にせず儲けることだけを考えていて、そのあたりは徹底しています。
一方で「よき牡」とは、損得ではなく、己の矜持や道徳観を基準に行動することだと思うのですが、ロレンスはホロの前では「よき牡」になってしまうようです。ホロが取り乱したとき、「よき大人」の対応をするのであれば、口八丁手八丁で丸め込み、いっそ抱いてしまうべきでした。心が弱っているホロであれば、その手は有効だったでしょう。
でもロレンスには、それは出来ないのでしょうね。彼は心からホロのことを不憫に思っていて、力になろうとしているけれど、弱みに付け込んで「自分のモノにする」ことは、彼の男としての矜持が許さなかった。ホロが一時の気の迷いで、ああいうことを口走ったことはよくわかっているでしょうし。
だからロレンスとしては、取り乱したホロに対して、抱きしめるのも言葉で慰めるのも違う気がして、あの場は去るしかなかったのでしょう。それが一時的に溝を作ることになったとしても。
ここで、これまで築いてきた二人の絆が試されるわけです。ヨイツのことを隠していたことで、ホロはロレンスは自分と損得づくで(ずるい大人として)付き合っていたのではと誤解してしまう。でも彼女は本来洞察力があり、ロレンスのこともよくわかっているはずなので、彼があくまで「よき牡」として彼女に接してきたことに、気づくのを期待したいところです。次回予告の映像は気になるが・・・
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1話はなんの事件もない、静かなスタートでしたが、2話にしてこの作品の魅力の片鱗が見えてきたでしょうか。狼と香辛料II 第2話 『狼と嵐の前の静寂』 の感想です。
この作品の魅力ですが、主に3つだと思っています。ひとつはロレンスとホロの、ちょっと変わったラブストーリー。ひとつは交易をベースにした知恵比べとサスペンス。そしてひとつは舞台設定の面白みです。
中世の、市井の人々に焦点を当てたドラマというのは珍しくて興味深いわけです。2話では錬金術師が登場したり、お祭りの描写が(間接的だけど)あったりと、舞台設定を楽しむことができました。
そういえば、OPは特徴的だと思うんですよ。人物のアップが数カットしかなく、ほとんどが引いた構図になっています。この世界に浸って楽しんで欲しいという、製作者のメッセージではないでしょうか。
小道具として登場した「黄鉄鉱」も気になりますね。実在の鉱石で、金に似た色をしていて、方形の結晶を作ります。他の鉱石を掘るついでに産出するありふれた鉱石で、工業的価値はほとんど無かったのだけれど、最近は太陽電池の材料として見直されているとか。これがどう、物語に関わってくるのでしょうか。
ホロの登場シーンは少なめでしたが、ロレンスをからかったり、一転して甘えてたりする様子は相変わらず可愛いくて、いいキャラです。2期も安定して楽しめそう。
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狼の姿のときの圧倒的な強さと、人の姿に戻ったときの心細そうな様子とのギャップが良かった。 狼と香辛料 第13話 「狼と新たな旅立ち」 のレビューと総評です。
ホロは、ロレンスの前で狼の姿になるのが、あまり気がすすまないようですね。ロレンスには一人の女の子として見て欲しいという想いからでしょう。なので、狼の姿から人に戻ったあとは、いつになく甘えた様子でした。
そこでロレンスはすかさず、いつもの仕返しとばかりに、ホロのことをからかっていましたね。 以前はホロに翻弄されるばかりだったのに、ロレンスの成長が見られて良かったです。ホロも可愛かった。
「主は覚えているか? 犬とわっちが向き合ったとき、どちらの名を呼んだのか。」
「エネクの名を呼んだ。 だって可愛いもん。エネクは俺の犬!」
ノーラとはここでお別れなんですね。ロードムービーらしい、さっぱりした別れのシーンも良かったと思います。 エネクも可愛いよ。
今回の商売ですが、元手の金が100リュミオーネで、これを密輸するとリュビンハイゲンでは10倍の1000リュミオーネになるようですね。これはレメリオ商会が破産をまぬがれるギリギリの金額なのだけれど、ロレンスは500リュミオーネの取り分を要求しました。 当然、すぐには支払えないので、10年の分割払いで良いとしたわけです。
しかしロレンスは、借金を返すために現金がすぐ必要なので、その債権をローエン商業組合に売りました。売値は130リュミオーネだったようです。この時代は金利が高いだろうし、この手の債権のリスクは高いですから、妥当な額なのでしょう。
最終回なので総評を。ストーリーはおおむね面白かったと思います。前半のトレニー銀貨の話のほうが面白くて、後半は、やや荒っぽい展開が気になったりもしましたが。ともあれ、楽しめました。
キャラクタは満点です。ホロというキャラは発明だと思いますね。獣耳属性は無いと思っていた自分もやられました。 ホロとロレンスの掛け合いの楽しさを、最大限に生かした演出が素晴らしい。 音楽も雰囲気ありました。
総合点ですが、後半がやや物足りなかったので、少し迷いはあるのですが、2期への期待を込めて5点とします。 ぜひ2期をお願いしたく。 アニメ向きとは思えない原作を、これだけ魅力的なアニメにしたスタッフに敬意を表したいと思います。
ストーリー | ☆☆☆☆_ |
キャラクタ | ☆☆☆☆☆ |
音楽 | ☆☆☆☆_ |
作画 ・演出 | ☆☆☆☆_ |
2期に期待 | ☆☆☆☆☆ |
総合 | ☆☆☆☆☆ |
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クライマックスに向けてのつなぎ的な回でしたね。夫婦漫才も控えめだったし。 狼と香辛料 第12話 「狼と若僧の群れ」 のレビューです。
なので、あまり書くことがありません。見所は、ノーラの有能な仕事ぶりでしょうか。 街の連中が噂しているような、妖精とか魔術とかは関係なく、普通に優秀な羊飼いみたいですね。なかなかかっこよかったです。
「これ(ロレンス)のことはどう思う?」とホロが聞いたときに、ノーラはなにを耳打ちしたんでしょうか。どことなく申し訳なさそうな顔をしていたので、「いい人みたいだけど、狼が襲ってきても頼りにならなさそう」ってところだろうか。 その後のホロのノロケというか、あることないこと吹きまくっているのは面白かったですね。ノーラへの対抗意識でしょうけど。
レメリオ商会は、なにか企んでいるようでしたが、やはり裏切りました。ロレンス君は無警戒すぎるな。 ロレンスの荒事に向かないところは相変わらずですが、次回の逆襲を期待したいと思います。
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「秘策」の内容そのものは、ちょっと残念な感じでした。 狼と香辛料 第11話 「狼と最大の秘策」 のレビュー。
というのも、ロレンス君が今の窮地に陥ったのは、強盗に襲われたとかではなく、正当な商取引の中で、彼自身の判断ミスが招いたものですよね。なので、ここからの挽回も正当な商取引でやってほしかったのですが、密輸かよと。悪事に手を染めてしまうのかと。
まぁ、あんまりこだわっていると楽しめないので、そこはスルーと。見せ場はそこから先で、ルルーシュ風に言えば、「作戦の前提条件をクリア」するための行動でしょう。
まず、レメリオ商会の協力を取り付ける必要があり、先方も窮地にいることを巧みにつついてクリア。 さらに、優秀な羊飼いであるノーラを引き入れる必要があり、これは高額の謝礼と、ノーラの教会への恨みをつついてクリア。 ロレンス君の話術はなかなか冴えていました。
ただ、ノーラへの教会の鬱屈した思いを、ロレンスはどうやって知ったのでしょうね。どこかで知ったけど、描写は省かれたということでしょうか。
金を羊に隠すというのは、やっぱ飲み込ませるんでしょうね。そして自然に出てくるのを待つと。。あるいは、反芻するときに出てきたりするのかな? 飲み込んで隠すというのは、密輸の常套手段ではありますね。アフリカあたりでは、ダイヤモンドを飲み込んで密輸するそうです。
ちなみにダイヤモンドは、デビアスという一企業が、世界の流通のほとんどを握っているんですよね。ガッツリ価格統制していて、デビアスがいなければダイヤモンドの価格は数分の一になると言われています。なのでアメリカでは独占禁止法違反の有罪判決を受けていて、デビアスの幹部はアメリカに入国したとたんに逮捕されることになっています。
でも、これが生活必需品であればもっと問題になるでしょうけど、ダイヤモンドは贅沢品であり、むしろ値段が高いほうが喜ばれるようなものなので、たいていの国では「まぁいいや」と見逃されているようです。 リュビンハイゲンの教会も、金や宝飾品に高率の関税をかけているそうですが、それ自体はまっとうな行為ですね。値段が高くなっても、庶民は困らないし、金持ちにとっては高いほうがありがたみが増しますし。 生活必需品に高率関税をかけるよりはずっと良いです。
それはともかく、教会としては密輸を厳しく取り締まるでしょうし、この時代の教会の力は絶大だそうなので、ここからロレンス一行がどうやって密輸を成功させるかが、このアニメの最後のクライマックスになるのでしょう。
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商売とは情報戦であり、情報を持っているほうが勝ちます。ロレンス君は、それに敗れ去ったわけですね。狼と香辛料 第10話 「狼と渦巻く陰謀」のレビューです。
ロスチャイルド財閥の創始者、マイヤー・アムシェル(1743-1812年)は、普通の商人からスタートして、政治に多大な影響力を持つほどの大財閥(バチカンの財政を救ったり、イギリス政府にスエズ運河買収の資金を提供したり)を一代で築きあげたのですが、その秘訣は情報でした。 5人の息子を、ドイツ・イギリス・フランス・オーストリア・イタリアの支店に配置して、郵便や早馬を使った独自のヨーロッパ情報ネットワークを構築したのです。
ロレンスは、リュビンハイゲンの武具暴落の情報を知らなくて、ラトペアロン商会は知っていたので、ロレンスは大損し、ラトペアロン商会はいくらか損を取り戻すことができたわけです。
信用買いの仕組みについて前々回書きましたが、もう一度転載しておきます。単位は変えました。
ロレンスの胡椒の買取価格が50リュミオーネだったとして、その2倍の100リュミオーネ分の武具を仕入れるために、50リュミオーネは胡椒で払い、残りの50リュミオーネは借金します。これが信用買いです。
これをリュビンハイゲンに持って行って、そこで1.2倍の120リュミオーネで売れたとすると、50リュミオーネは借金の相殺に使われて、ロレンスの手元に入るのは70リュミオーネであり、利益は20リュミオーネになります。50リュミオーネの元手で4割の利益が得られました。
もし信用買いではなく、普通に現物買いだったとすると、武具は50リュミオーネ分しか仕入れられないので、利益は半分の10リュミオーネになります。信用取引のおかげで、利益が2倍になったわけです。ただし、もしリュビンハイゲンで武具が値下がりしていたら、損失も2倍になります。今回の取引については、そのリスクは少ないという判断のようですが。
んで、結果は値下がりだったわけです。しかも価値がほぼゼロになったという。 ということは、ロレンス君は元手の50リュミオーネを失っただけではなく、50リュミオーネの借金も抱えてしまいました。 まぁ、素人が株の信用取引に手を出して失敗するパターンと同じです。 調子のいいときほど、失敗するとデカいものですね。
商館の館長は、こうなることがわかっていたようで、意味ありげに 「おまえなら良いほうに転ぶかもしれん」と言いました。 「船を漕いで返せ」などキツいことも言ってましたが、破産寸前になることを承知の上で証書を発行したわけなので、館長はロレンスがなんとかするだろうと信頼しているように見えます。 ここからどうやって逆転するのかは、興味津々ですが。
それはさておき、夫婦漫才最高ですな。
「それとも羊飼いスキーなのかや?」
羊飼い萌えという属性があったとは。あの杖が萌えアイテムなのかな。犬も付いてくるしな。
そういえば、今週欠席でしたが、来週はきっとノーラも関わってくるのでしょう。ノーラが町の人から疎んじられているのは、魔物がいると言われる道を通って無事なことから、妖精の類と疑われているせいなのですね。
”妖精”はヨーロッパの古代信仰の神様であり、厳格なキリスト教のもとでは、異教の神として排斥される存在です。ホロもある意味”妖精”なのかな。だとしたらいいコンビなのかも。
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エネクかわいいよエネク。エネクは俺の犬。 狼と香辛料 第9話 「狼と羊飼いの子羊」 のレビューです。
エネクはボーダーコリーっぽい雰囲気だけれど、この時代にはいないだろうな。牧羊犬って、羊を効率的にまとめる知能と、放牧場を縦横に走り回るスピードとスタミナが必要なので、猟犬などよりも総合的な能力は高いんですよね。実際にドッグスポーツ(アジリティやフリスビーなど)では、ボーダーコリーなど牧羊犬種の独壇場です。
そんなうんちくはどうでもいいのですが、今回はあまり語ることが無いのですよね。新しいエピソードへの導入という感じで。
謎めいた展開ではあります。なぜノーラは街の人に疎んじられているのか。なぜ税関の役人は怪訝な顔をしたのか。ロレンスが付け狙われているのはなぜか。リュビンハイゲンは教会都市だそうなので、教会が関わっている可能性が高いですが・・・
この話、どうも教会が天敵のようですし。商人の敵(少なくともやっかいな相手)であり、狼の敵でもある。
あと見所としては、ホロの嫉妬でしょうか。でもわりと抑えた表現でしたね。これはこれでいいと思いますが。ノーラも可愛いけど、なんかすごく”渚”って感じです。
次回はなにやら”陰謀”が明らかになるようで。
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女にダマされやすいロレンスと、食べ物に弱いホロ。いいコンビですよね。狼と香辛料 第八幕 「狼と正しき天秤」 のレビューです。実質第7話だけれど、1話抜けているので第8話と表記します。
「わっちは、ぬしの借金に利子をつけて返すつもりじゃ。つまり、貸し付けている金は多いほうが、ぬしも儲かる。じゃから、な?」
「・・・契約成立」
ダマされてる!あんたダマされてるよロレンス!
蜂蜜漬け、うまそうだけど甘そうだな・・・ この時代では、甘味料としては砂糖よりも蜂蜜のほうが一般的なのでしょうね。ヨーロッパでは砂糖は砂糖大根(テンサイ)から作りますが、その製法が発明されたのは18世紀なので、”狼と香辛料”の時代では遠方からの輸入品しか無いはずです。
「天秤のトリック」
机が傾いていることでインチキがわかった、という話ですが、机が傾いているというだけでは、天秤を置いたときに中心がズレるので、バレてしまうはずです。だから天秤のほうにも細工があるはずですが、どういう仕掛けでしょうか。 たとえば単純に、「一方の皿を重くして釣り合わせる」だと、その状態で釣り合っているわけなので、”正確な計量”になってしまって詐欺になりません。
ありえるとしたら、天秤の腕の長さを変えてある、でしょうか。長いほうを低い側にして、そっちに分銅を乗せれば、より少ない分銅で多くの胡椒と釣り合うことになります。
でもこの解釈には難点があり、べつに机が傾いている必要は無いんですよ。腕の長さの違う天秤を用意して、オモリ(あるいは調整ねじ)を使って中心を合わせておけばいいのです。なので、あのインチキ商人がやりたいことがイマイチ分かりません。他に解釈がありますかね?
「信用買いの仕組み」
インチキを暴いたロレンスが、「信用買いで、倍の買い物をさせてもらえませんか。」と持ちかけるシーンがあります。これは、「脅迫して半分の値段で買い叩いた」という意味ではありません。そういう解釈をされている方が多いみたいですが、ロレンスが言ったことは実はそれほどの無茶ではなく、まっとうな取引です。ただ、普通はこちらに信用がなければできない信用取引を、脅迫気味に了承させた、という程度で。説明しますと、
ロレンスの胡椒の買取価格が100万円だったとして、その2倍の200万円分の武具を仕入れるために、100万円は胡椒で払い、残りの100万円は借金します。これが信用買いです。
これをリュビンハイゲンに持って行って、そこで1.2倍の240万円で売れたとすると、100万円は借金の相殺に使われて、ロレンスの手元に入るのは140万円であり、利益は40万円になります。100万円の元手で4割の利益が得られました。
もし信用買いではなく、普通に現物買いだったとすると、武具は100万円分しか仕入れられないので、利益は半分の20万円になります。信用取引のおかげで、利益が2倍になったわけです。ただし、もしリュビンハイゲンで武具が値下がりしていたら、損失も2倍になります。今回の取引については、そのリスクは少ないという判断のようですが。
あの村の商人は、ロレンスが借金を払わないかもしれないというリスクはありますが、ちゃんと取引が実行されれば、物が多く売れて、その対価が入るのだから、彼にとっても悪い話ではありません。ただ、武具の売値は、足元を見て値切られたようですけどね。
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商人って、昔はさげずまれる存在だったと思うんですよね。日本でも士農工商とか言いましたし。でもこの物語は、そういう時代の商人を主役にして、商人のルールを主人公の行動原理に持ってきたのが面白いところです。
”悪魔と商人の戯曲”ですが、あれの面白さは、教会が”商売の節度”を説くために作ったものなのに、商人であるミローネ商会の支配人が、皮肉っぽく逆の意味に取ったことにあります。
戯曲にある”香辛料のきいた魂”というのは、”強欲な魂”といった意味でしょう。教会の倫理観では、強欲は罪ですから。でも商人にとっては、強欲はむしろ美徳であって、約束を守らないことやカネを払わないことが罪なのです。
しかも、香辛料は商人には貴重なものです。だから支配人としては”香辛料のきいた商人最高!”であり、そういう”正しい商人魂”をロレンスに見たので、この話を熱く語ったのでしょう。
だから、ロレンスの「カネ返せ」は商人としての愛の言葉なのですね。ラストでホロが豪勢に買い物をしたのは、「これだけ借金したのだから、ちゃんと返すまで一緒にいてください」という、愛の言葉への返事(商人流)なのでしょう。
原作読んでないのですが、ここまでが1巻の内容らしいですね。どうりで”いい最終回”という雰囲気でした。次は2巻なんでしょうか。引き続き楽しみですが、今回は夫婦漫才が無かったのが寂しかったので、次回、補充してほしいところです。
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考えられる作戦として、5つ挙げられました。まずは言いなり作戦。
作戦1:メディオ商会の要求を呑み、静かにしておく。これの欠点は、ミローネ商会はすでに銀貨を集めているので大損するということと、ホロを返してもらえる保証が無い(結局、教会に突き出されるかもしれない)ことです。
作戦2:ホロをなんとかして奪還し、どこかに隠す。これの欠点は、その場合はメディオ商会は教会に告発するだろうし、教会のネットワークから逃げ切るのは難しいということです。
作戦3:相応の金を払って、ホロを返してもらう。メディオ商会の企みが成功した場合に得られる利益は莫大なので、金で解決するのは難しいようです。
と、ここまではダメなことが自明。そこでミローネの支店長が語ったのは、見殺し作戦でした。
作戦4:メディオ商会よりも先に、ミローネ商会がホロのことを教会に告発する。教会が踏み込んで、そこに実際にホロがいたら、メディオ商会のほうが立場が悪いであろう。これの欠点は、ロレンスにミローネ商会に対して不利な証言をされると、むしろ立場が悪くなることです。そしてロレンスは、必ずそうすると脅しています。
そして、採用されたのがロレンス案になります。
作戦5:メディオ商会の先手を打って、ミローネ商会がトレニー国との交渉をまとめてしまう。もし契約締結後にメディオ商会がホロの件を告発したとすると、ミローネと関わっているトレニー国にも教会の疑いの目が向けられることになり、ひいてはメディオ商会はトレニー国の不興を買うので、それはやりにくいと予想される。これの欠点は、ミローネ商会の儲けが減ることと、王家との交渉を迅速に行う必要があることです。しかし、それは許容範囲だったと。
しかし、メディオ商会もただでは引き下がれないだろうから、トレニー国から得た特権をメディオ商会に買い取らせることで、両者で儲けをとって手を打つ。
分からないのは、なぜ危険を冒してホロを救い出す必要があったのか、です。作戦5であれば、すべて終わってからホロを返してもらえばよいと思えるのですが。メディオ商会との交渉を少しでも有利にするため、かな?
ちなみに、僕がミローネ商会の人だったら、作戦4を採用してロレンスを殺すことも検討しますが、そこまで悪人では無いようで。いや、作戦5が無ければやったかもしれんな。
あと、銀貨を集めると王家の弱みに付け込める、という話もわかりにくいですね。おそらく、トレニー国が銀貨を回収したがっているので、それの先まわりをして銀貨を集め、それを持ってトレニー国に、
「おたくが銀貨を集めている理由はお見通しですぜ。それについては黙っててあげるし、この銀貨は安く譲ってあげますから、そのかわりに特権ちょうだい」
とか交渉するのかなと。で、目先の金が必要なほど逼迫しているトレニー国は、脅迫&お金に負けて承知するであろうと。
今回のサブタイトルにはちょっと異議あり。”痴話喧嘩”の意味は、goo辞書によると”男女間の愛情のもつれがもとでおこるたわいもないけんか”とあり、今回の喧嘩はべつに愛情がもつれていないだろうと。単にバカップル会話だよ。てっきりクロエが入ってきて嫉妬がらみの”愛情のもつれ”があるのだろうと思ってたのですが。今後あるのか?
それはそれとして、今回のホロの小悪魔っぷりにはニヤニヤさせてもらいました。ロレンスも大変だな。だが羨ましい。
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ラノベって、とりあえず1巻で完結するようにして、人気を確認してから続巻を出すので、最初のほうの展開は急ぎがちなんですよね。これの原作は読んでないのですが、忠実にやっているのであろうと思います。
まず、ホロが早くもデレてます。しかも依存が強いタイプですか。今回初めて語られたと思うのですが、狼であることが教会にバレたら、殺される可能性があるわけですね。何百年も生きてきて、昔は神様だったのに、今は教会の台頭によって狩られる存在になってしまった。それはとても孤独なことでしょう。久しぶりに見つけた相棒である、ロレンスに依存してしまうのは納得できるところです。
それでも、したたかなのは相変わらずですけどね。ロレンスのベッドにもぐりこんだのは、襲撃を知らせるためですが、「野暮なこと言うもんじゃありんせん」とか言って、ロレンスをからかっています。あるいは試した?
それにしても、フサフサの尻尾を抱いて眠るホロは可愛いな。あの尻尾、気持ちよさそう・・・
急展開といえば、ホロが狼であることが早くもバレてしまいましたね。いかに狼であることを隠してやっていくか、という組み立ての話だと思っていたので、これは意外でした。この後どうなるんだろうか。
ロレンスたちが襲撃された理由が、謎として残っています。狼であることがバレたのは、結果なのか原因なのか。両替商で音を聞いて貨幣の価値を見抜いたことに、めざとい両替商が気づいて、メディオ商会にタレこんだとか?
ラストの謎の人物がキーなんでしょうけどね。たぶんあの人か・・・
なんにしろ、次回が楽しみです。でも実は今回、物足りなさもあったのですよね。なぜなら、ロレンスとホロとの軽妙な夫婦漫才があまり見られなかったからです。次回は「狼と痴話喧嘩」ということで、その点でも大いに期待しちゃいます。
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ちなみに内訳は、全体が20分40秒(1240秒)なのですが、ミローネ商会のシーンが260秒、ゼーレンとのシーン(2回)が106秒、両替商のシーンが85秒で、これを除いたら残りは全て二人の会話シーンであり、64%ということになります。約2/3ですね。
それでも飽きさせないのがスゴイと思うんですよ。中世の商売をテーマにしたストーリーも興味深いけれど、なによりホロのリアクションの面白さでしょうね。今回もロレンスのことをさんざん手玉に取っているが、隙も多かったりするのが可愛いところ。食いしん坊なのが弱点のようだけれど、それさえ萌え要素だ。
コートの下で尻尾をぶんぶん振っていたり、耳がピクっと動くのも可愛いと思えてしまうのだから、かなりヤバイかもね。ホロの妙な口調も、最初は違和感があったけれど慣れてきました。
作画もあいかわらず良くて、今回は特に背景が良いですね。紀行物なので舞台は毎回のように移り変わるわけで、背景が使い回しできなくて大変だと思うんですが、がんばってクオリティを維持して頂きたいです。応援してます。
ミローネ商会での売り込みのとき、ロレンスが口上の前に「ゴホン」と咳払いするのを、ホロが真似て可愛く「コホン」とやったりなど、細かいところの演出も効いています。
ロレンスの言う、「価値の下がる銀貨を買えば買うほど儲かる方法」って何でしょうね。先物売りという話でも無さそうだし、次回が楽しみです。あと予告編の思わせぶりなシーンは・・・
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第2話は、このアニメにとって試金石になったのではないでしょうか。ほぼ全編、ホロとロレンスの会話シーンだけで、特に事件も無いので、「なにこの空気アニメ、ツマンネー」となるか、「ホロかわいい!ロレンスとのからみ最高!」となるか、どちらかだと思います。僕は後者ですね。というわけで、狼と香辛料 第2話 「狼と遠い過去」の感想です。
1話ではピンとこなかったのに、ここで急にホロがかわいく見えてきたのですよ。まずは絵、特に表情がいいですね。澄ました顔、いたずらっぽい顔、笑いをこらえた顔、怒った顔(犬歯つき)、しょげた顔、優しい顔。 くるくる変わる表情がとても良いと思いました。
キャラの性格づけも、けっこうスイートスポットです。年上ぶったり、からかったりするけれど、幼いところや純粋なところもある。こんな女の子につきまとわれて振り回されてみたいとは、男子なら誰しも思うのでは。
シナリオもいいです。原作のよさが出ているのでしょうけど、「旅は出で発つ前が最も楽しく~」といった口上とか、とても味がありますね。こういう細部の台詞回しがいい作品は良作になります。
為替が、まだ珍しい時代なのですね。銀行は無いのかな。現実のヨーロッパ世界では、やはり貨幣の運搬の危険を避けるために為替や銀行が発達して、初期の銀行システムを支えたのはテンプル騎士団だったりするのですが、そういう話に発展するのかどうか。おいしいテーマだとは思いますけど。
サービスのつもりなのか、ホロの真っ裸シーンがふんだんにありますが、あんまりエロさを感じないですね。べつに無くてもいいかも。でもあの獣耳は、だんだんかわいく思えてきましたよ。ヤヴァイな。
ところでクロエはどうなった?

原作のラノベは、人気があるようで書店によく平積みされてますね。手に取ってみたことはあるのですが、導入部を読んでも特に話に引き込まれなかったのでスルーしていました。
オープニングのモノローグはいい雰囲気。収穫祭の不思議な行事など、異世界の雰囲気もよく出ています。作画も安定してるかな。ただ海外にほとんど投げてるっぽいので、今後クオリティを保てるかは不安。
ヒロインである狼少女(?)のホロは、お色気たっぷりで登場するけれど、僕は獣耳属性が無いので特には。自分のことを”わっち”とか言う独特の口調(京言葉?)は違和感があり、声に合ってない気もします。村娘のクロエは可愛いと思ったけど、これはアニメオリジナルキャラらしいですね。あまり出番無いのかな?
原作は基本的に地味な話だそうで、掲示板など見ても「アニメ映えしないのではないか」と心配してる原作ファンの人がいます。主人公とホロの会話のかけあいが売りらしいので、それを楽しみに次回も見てみることにしよう。
