メルクマール

写真をテーマにした、オムニバスのような構成でした。まずは梓の『入部記念写真』の話。そのあと、卒業アルバムの個人写真の話になり、さわ子先生のアルバムを見たりしつつ、卒業アルバムのスナップを見ながらしんみりするシーンもありました。そして最後は、軽音部全員によるトリッキーな撮影のシーンで、あれはジャケ写にでも使うのでしょうか。

今回はある種、総集編だったと思うのです。写真は時間と空間を切り取ったもので、それ自体は一瞬だけれど、写真を見ることで、その当時の感情が再生されます。時には、動画で見るよりも鮮明に。　けいおん！！の最後の回は、写真をモチーフにしたことで、彼女たちの高校生活のいろいろなシーンを切り取り、プレイバックさせたのでした。

今回は梓の出番が少なくて、いつも彼女が担っている「四人組を外から眺める視点」は、さわ子先生が担当していました。写真を見て思い出に浸ることを、視聴者の代わりにやってくれています。

最後にデスデビルが集合したのも、象徴的でしょう。軽音部の大先輩たちは、今でも友達が病気なら駆けつける仲間同士で、それは唯たちの世代にも受け継がれています。そしてそれはきっと、梓の世代にも受け継がれるはず。デスデビル → 唯たち → 梓たちと渡されたバトンが、僕には見えました。

そんなわけで、番外編でありながら、最後を飾るにふさわしい回で、心憎いではないですか。最後まで、構成の妙を見せてくれました。　映画も楽しみにしています。

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