メルクマール

何しろ、アクションシーンは、規制のおかげでテンポがすごく悪いですからね。アクションはオマケだと考えたほうが、腹も立たないというものです。

日常パートはなかなか楽しくて、アップテンポだった前回から一息つけました。まふゆの表情がくるくる変わるのが、可愛いところです。サーシャのツンデレ？な様子も良い。

ボルシチですが、肝心のビーツが入ってないような…。ビーツは赤い蕪のような野菜で、ボルシチの赤い色の素です。食堂のメニューなどで、ビーツの入っていないボルシチはありがちですが、それではサーシャは納得しないでしょう。

マグネシウム、まだ生きてたんですね。良質なソーマの威力か、マグネシウム合金（AZ91）で攻撃してきました。Little Colorsさんから期待されているようなので、解説してみますか。AZ合金は、マグネシウムをベースに、Al（アルミ）とZn（亜鉛）を混ぜた合金です。

上の表にあるように、マグネシウム合金は強度（ヤング率）は鉄鋼に負けています。でも比重が小さいので、重さあたりの強度（比強度）では鉄鋼よりもかなり上回るわけです。

クェイサーは分子結合や電子を操る能力だそうなので、軽いほうが、より高速に動かすことができるのでしょう。軽さと速度が比例するとすれば、速度×強度ではマグネシウム合金のほうが鉄鋼より優れることになります。槍のようなものを打ち出していましたが、あれはマグネシウム合金の特性を利用した、有効な攻撃でしょう。一種のレールガンですね。

でもマグネシウム合金には欠点があり、熱に弱いのです。鉄鋼の融点が1520℃なのに対して、わずか596℃。なので、燃えるほどに熱したサーシャの鉄の前では「粘土も同然」でした。

そもそも、純粋な強度ではマグネシウム合金は鉄鋼に勝てないので、守りに入った段階で不利になります。”マグネシウム”はその高速性を利用して、攻めに徹するべきでした。良質なソーマに有頂天になって、油断したのでしょう。

つまりこの作品の戦闘は、元素の特性を生かした”戦術”と、より質の高いソーマを確保する”戦略”の2つで決定するようです。サーシャが燈と一緒に住むことにしたのは、戦略面から当然の判断でしょうね。つまり狙われている…

ラストに登場した平野綾さんのキャラも、クェイサーなのでしょうか。どんな戦闘になるのか楽しみです。アクションには期待しないけどね。

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